2007年11月30日金曜日

あーあ、俺にも野島ぐらい情熱があればなぁ!!

武者小路実篤 「友情」 読了。

 野島が初めて杉子に会ったのは帝劇の二階の正面の廊下だった。
 この書き出しで作品の三分の二が判る。
 二十三歳童貞の野島を主人公とした杉子への身を焦がすほどの恋物語である。
 読みやすい文章とテンポの良い話であり、中篇程度なので一時間ほどでサクっと読める。
 大半が野島が杉子に対してカッコいいとこを見せようとしたり自己嫌悪に陥ったり嫉妬したりしているので、乱暴に言うとラノベに入れていいと思う。
 ラストの盛り上がり方は好き。

210文字